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槍ヶ岳から双六岳へ

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松本のビジネスホテルで朝を向かえる。新島々を出発するバスに乗って昼前に上高地に着く。

まず始めてこの地を訪れた人は
その圧倒的存在感の風景に驚愕する。
それぞれの山々は確かな個性で凛としてそびえ、
標高1500mメートルの高地に
ほぼ水平の地形が10数キロに及び存在している。
その中をゆうぜんと流れる梓川の清流は
やがて大正池に流れ込み
再び下流を目指し流れて行く。

秋の澄み切った空気の中。
全ての姿をあふれる観光客の前に
さらけ出したと思える上高地。
それでいて、なお俗ぽさからかけ離れた
存在感は、決してこの地が人々の
意のままにならないと言うことの証。
刻々と変化する山々の魅力を
置き去りにこの地を観光客に譲って
そろそろ
目的地を決めて山を移動する
登山という行為に身をあずけようか。